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毎月19日は食育の日〜2022年11月号〜
有機米が食べられるまで
鹿児島では１１月になっても最高気温が25℃近い日が続いていましたが、
最近になってやっと秋の訪れを感じ始めています。
さて、今回の食育コラムでは、久しぶりにお米についてお話しさせていただきます。
８月のコラムまでで、苗が成長し稲になり、
その稲が穂を出すまでをご紹介しておりましたが、
今回は穂が出てから収穫までをご紹介していきます。
穀物の種子が次第に発育・肥大することを「登熟(とうじゅく)」といい、
穂の中でお米になっていく期間を「登熟期」といいます。
この期間の稲は昼間に光合成をおこない、日が沈んでからは、
そこでできたブドウ糖を穂に送り、お米になっていきます。
ただし、夜間の気温が高いと稲の呼吸が盛んになり、
光合成で作ったブドウ糖を消費してしまいます。
そのため、昼間は暑く、夜間は涼しいという天候が理想的とされています。
「寒暖差があるほうが良いお米ができる」と言われるのは、こうした理由のためです。
こうしてお米ができてくると、いよいよ収穫となります。
収穫を行う約１０日前に、田んぼの水を抜く「落水」を行い、
稲を乾かし登熟を完了させます。
また、土を乾かすことにより、稲刈り作業が行いやすくなります。
現在の収穫は、コンバインという機械で行われ、
稲刈り・稲から籾を分離する「脱穀」、
籾と藁くずを分ける「籾の選別」、
藁だけを排出するという処理をなんと同時に行うことができます。
そして、収穫された「生籾」は、変質を防ぐために速やかに乾燥機での乾燥を行います。
コンバインで刈った後の田んぼ
乾燥機で乾燥させた籾は熱くなっているため、
乾燥から1週間程おいて冷ましてから、籾を取り除き玄米にする「籾すり」を行います。
そうしてできた玄米を30kgの袋に入れたもので貯蔵され、
精米・小分けされて、販売されているお米になります。
ここまでは、コンバインを使った収穫をご紹介しましたが、
コンバインが登場する以前の収穫についてもご紹介します。
６月のコラムで、地球畑田植え祭を行った圃場で収穫祭を行ったので、
そちらも参考に紹介させていただきます。
2022年10月の地球畑収穫祭
６月に植えたお米を収穫！
手作業で稲刈りをする際には、「鋸鎌（のこぎりがま）」という
鎌の刃がのこぎり状になった鎌を使用し、
稲１束を手でつかみ、
地面から5〜10�僂里△燭蠅乃�鎌を使い刈りとります。
刈りとった稲を8〜10束でまとめて、麻ひもまたは稲わらでくくり、
「掛け干し」を行います。
「掛け干し」は、田んぼに竿をつくり、そこに稲をかけて天日と風の力で
米を乾燥させる方法で、２週間ほどかけて乾燥させていきます。
昔は、千歯扱き（せんばこき）などを使い脱穀し、唐箕（とうみ）を使い
中身の重い籾と軽い籾、その他のワラくずなどを選別、
臼を使って籾（もみ）摺（す）り（籾から玄米にする作業）をしていたそうですが、
現在ではこれらの道具はほとんど無く、機械を使い脱穀・籾摺りを行っています。
これまでのコラムでご紹介しましたように、機械化が進んだ現代でも、
苗作りから約５ヶ月ほどの時間をかけてようやく皆さんが食べるお米となります。
昔は機械ではなく千歯扱き（せんばこき）、唐箕（とうみ）、
臼と、収穫してからもたくさんの時間をかけて精米していました。
「お米１粒には神様が宿っている」という言い伝えを
聞いたことがあるかと思います。
植えてから食べられるまで手間暇がかかっていた経緯からの言い伝えですが、
地球畑のお米は有機栽培のため、
生育中は天候や病害虫などの影響で思うように収穫できないのも事実です。
あたりまえにお米が食べられる事はもちろんですが、
より丹精込めて育てた安心安全な有機米を
ぜひご賞味ください。
地球畑カフェの”本日のお膳”（写真は玄米）
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