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暑さのピークを過ぎた頃から収穫の始まる生姜。
毎日のお料理に大活躍ですが、掘ってすぐの新生姜は辛みが少なくシャキシャキした食感が特徴です。
皆様に旬の時期のみずみずしい新生姜を味わって頂きたく、有機栽培の生姜がどのように育てられているかを、霧島市の畦地さんを例にご紹介致します。
(1)土づくり・マルチ張り
3月中旬〜下旬
土壌消毒剤を使用しない有機農業では、連作障害を防ぐために、前年に生姜を植えていない畑を使用します。
栄養分になる良質な堆肥と、生姜が育ちやすいpHにするために有機石灰を撒いて、よく耕耘します。


生育に必要な肥料を投入し、黒のビニールマルチを張ります。
土の保温や、雨の日に土が流れるのを防いだり、雑草が生えるのを防ぐ目的でビニールマルチを使用します。


この後、通路にも防草シートを張ります。
有機農家さんには1年を通じて複数の野菜を同時に育てている方が多く、畦地さんもその一人。
生姜の植付準備をしながら夏野菜の苗づくり等を同時に行うので、除草の手間を省くためにビニールマルチや防草シートを使用しています。
(2)植付け
4月上旬〜中旬
大きさ・形が様々な生姜を、1株50g前後になるように割ります。

芽がある方を上に向け、日焼け防止のため、畝の向きに平行に植え付けます。
移植ゴテで1つづつ、等間隔に穴を掘りながら植え付けていき、種の上に5cmほど土がかぶるようにします。


収穫を迎える9月頃には、1株が約10倍程度の大きさに成長します。
(3)発芽・ネット張り
5月下旬〜6月上旬
植付けから1か月以上たち、小さな芽が出始めました。

背丈が20〜30cmになった頃に、倒れるのを防ぐために支柱とネットを張ります。

収穫までの間は、生姜が無事に育っているか、病気にかかっていないかを確認するため、葉の状態を毎日チェックします。
病気にかかったり腐ってしまったものは、他の株にうつらないように畑から取り除きます。

(4)土寄せ・追肥
<1回目:7月中旬>
植付けから3か月以上たち、生姜が膝を超えるくらいの背丈になりました。
この時期には雑草を防ぐ黒のビニールマルチを剥ぎ、株元に追肥をし、通路に管理機をかけます。

黒マルチの中央をカッターで切れ目を入れ、剥がしていきます。

雑草を防ぐための黒のビニールマルチをつけたままだと、その下に隠れた小さな芽が伸びない事と、蒸れてしまうためこの時期には剥ぐのだそうです。

今からの時期は生姜の背丈はあまり大きくはなりませんが、葉と茎が増えて、根が太っていきます。
生姜の成長を促すため、生姜の根元に追肥をします。

管理機という機械で通路を耕します。
これは、�…模�の除草をする��追肥した箇所を土で覆う��生姜の根元が日焼けしないよう土で覆う、以上3つの目的で行います。

8月下旬位にもう一度、管理機で通路を除草しながら土寄せを行います。

この頃は梅雨が明けて夏本番が始まる暑い時期。
雨で病気の症状が出やすくなったり、台風で倒れる可能性があったり、気が抜けない日々が続きます。
9月中旬の収穫開始までは、毎日状態を確認したり、手作業で雑草を取り除きます。
<2回目:8月下旬>
8月11日から約10日間降り続いた雨により、通路を耕して畝に盛った土が流れました。
かつてないほどの大雨が降りましたが、事前の土づくりと高畝で、生姜が水に浸かることはなかったようです。

土が流れて生姜が露出していた箇所もあったため、最後の追肥・土寄せを行います。

全体的にはもう少しですが、大きそうな生姜を選別しながら9月初旬から収穫開始です。

(5)収穫
9月〜11月
植付から約5ヶ月経ち、人の腰よりも背丈が高くなり、葉と茎も繁ってきました。
背の高さと軸の太さを見て、大きいものを選んで収穫します。

茎を20cmくらい残して葉を鎌で刈り、生姜を掘り起します。


作業場に運びやすいように、土と茎と根をある程度落とします。
太い根は引きちぎると生姜に穴が開いてしまうので、ハサミで切ります。

作業場に運び、水をかけて洗います。

ハサミで丁寧に調整し、水をかけて土を流します。

この作業を繰り返して出荷用に準備します。
ひとつひとつ大きさや形が様々な生姜を、傷が付かないように手作業で収穫・調整を行いますので、1日で出来るのは最大約40kgとの事。

1株1kgを超えるくらいの大きさになったものから収穫を行いますが、11月頃まではどんどん成長し続けます。
霜が降りる直前が収穫のリミットなので、そのぎりぎりまで大きく成長させたいところですが、畑にある期間が長いほど割れや台風被害、病気のリスクが高まるのが悩みどころです。

【生産者紹介】
霧島市の畦地さん。
農業をやるなら「安心安全な有機農業を」と決めて研修を受け、2013年から生産者の一員となりました。

生姜の他に、きゅうり、なす、南瓜、ズッキーニ、ピーマン、落花生、人参、里芋、大根、ほうれん草、玉ねぎ等のお野菜を育てています。
有機農業は思うようにいかずに難しいが、色んなやり方があって、じっくり育つから美味しい、とのこと。
研修で色んな先輩農家さんと出会った中で生姜に興味を持ち、教わった事を参考にしつつ、自分なりに勉強して2019年から栽培しています。
掘ってすぐの新生姜は香りが良いので、すりおろして薬味にしたり、余ったらみそ汁に入れたり、毎日のお料理に使っているそうです。
さいごに
取材をする中で、じっくり育つ生姜の手入れをしている間に、きゅうりや南瓜など生育の早い夏野菜の植付・収穫・出荷・畑の片付けまで済ませているのが印象的でした。
一つの季節に複数の野菜を同時に育てているのが、有機農家さんならではと感じます。
また、
・生姜の葉や種などの残渣を圃場に残さないようにしている
・雑草を防ぐビニールマルチ、倒れたり葉が傷つくのを防ぐネットをかける
・連作障害を防ぐためにどの野菜も次の年は違う畑に植える
・苗は購入せず種から育てる
というところに、畦地さんの有機農業に対するこだわりを感じました。
2021年は、平年より20日も早く梅雨入りし、6月は雨が少なく、8月は豪雨が10日以上続いて日照も不足しました。
台風の直撃がなかったのは幸いですが、例年にない気候でも美味しい生姜が食べられるのは、毎日のお手入れのおかげです。
すくすく育っていく生姜の様子に、こちらも元気をもらいました。
取材を通して、貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました!!
2021年9月

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